とりあえずB

飲むべきか 呑まれるべきか それが問題だ

セクシーホットパンツ

タイでマッサージスクールへ通うことを、心に決めたあの日(つい2ヶ月前)までは、正直タイマッサージというものを一度たりとも受けたことが無かった私。
渡航を決心してから初めて経験した衝撃的ストレッチ風マッサージ。
はい。
素晴らしく気持ちよかったです。

今ではすっかり、タイ古式の虜と成り、様々な店を巡り比較研究(という言い訳で分不相応な贅沢)をしております。
そして気付いたのが、技も然ることながら、施術者さんとの相性が重要だということ。

このタイマッサージ業界というのは、狭いというのに様々な個性あるお店が多く、深くてユルくて面白い。
この2ヶ月の間に訪れた店の中には、どう考えても、エロいサービスも有りだろうと見受けられる店舗も。

その代表的で、記憶に残った店の話。
あそこは忘れもしない、値段表の看板どころか、チラシすら一切外に置いていなかった。
ガランとした雑居ビルの階段を上がった2階。
すぐ左手にあるドアの防犯用覗き穴の下に、小さく店名を書いたプレートが遠慮がちにかかっているだけの、怪しい佇まい。
スマホで料金を確認し、電話で予約をした際にも値段の確認をしたので、大丈夫だろうとは思うが、何とも言えない雰囲気に不安感を掻き立てられ、もう一度ビルの外へ。
ビルの向かい側の歩道から店のあるべき場所を見上げる。
そこには、窓を潰すようにドピンク地にシルバーの文字で“タイ・エステマッサージ”という、必要以上にギラギラしたステッカーが下品に輝いているではないの。
少し怖気ずくも、約1月後には本場で修行をする身。
こんなことで尻込みしては、女を卒業しちゃいそうなアラフォー、生き残るための蓄え(腹肉)が示す生命力が廃るってもんです。
勇気を出して深呼吸した勢いで、シャツのボタンを飛ばしながらも扉を開けると、出迎えたのは、ペランペランのタンクトップにホットパンツ、その下には貞操帯の役目なのか、何故だかストッキングを着用した、セクシータイガール(2人)。
その中途半端な露出度と、揃いの安っぽいユニフォームが、逆に性的魅力をアップさせている始末で、女子好きおばちゃんたら『祭りだ!祭りだ!』とテンションアップ。

脳内で始まったホットパンツカーニバルに、うっかり不安を打ち消され、もうどうにでもなれ!のヤケっぱち。
儲けにならないような、客寄せの安いノーピンクコースをオーダーした私(当たり前か)。
なのに、こちらが申し訳無くなる程、全力で頑張ってくれた、気立ての良いセクシーガール。
ありがとう、身も心も、目も大満足、世は苦しゅうないの天国の島。

このマットにどんな輩が私の使用する前に寝そべっていたのか、想像すると寒気がするので、南国のビーチを頭に死に物狂いで浮かべた、トド(私)一匹でした。